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更新日:2022年6月17日

令和4年5月から救命講習が新しくなりました

心肺蘇生の手順が、6年ぶりに改正されました。

市民の方が行う心肺蘇生法は、日本救急医療財団心肺蘇生法委員会が、原則5年ごとに改訂している「救急蘇生法の指針」に基づいています。

これまで消防本部が担当する救命講習では「救急蘇生法の指針2015」に基づいた指導を行っていましたが、最新版である「救急蘇生法の指針2020」が発行されたことに伴い、令和4年5月開催の救命講習から、新しい心肺蘇生法による指導を始めました。

改正は、より良質な心肺蘇生を追求するために行われています。過去に救命講習を受けた方も、定期的な再受講等により最新の情報を得ることが大切です。


以下では、市民の方が行う心肺蘇生法の基準となっている「救急蘇生法の指針2020(市民用)」について、主な変更点をまとめましたのでご参考にしてください。

 

1.「救急蘇生法の指針」とは

「救急蘇生法の指針」とは「心肺蘇生に関わるガイドライン」のことです。

市民用」と「医療従事者用」の2種類があり、市民の方や救急隊員が行う心肺蘇生の手法は、これらに基づいて定められています。

日本救急医療財団心肺蘇生法委員会が原則5年ごとに改訂しています。

2.「救急蘇生法の指針2020(市民用)」における主な変更点

「救急蘇生法の指針2015(市民用)」からの主な変更点は、以下のとおりです。

 

  • 傷病者発見時の対応手順において、反応がない場合のほか、反応があるかないかの判断に迷う場合又はわからない場合も、心停止の可能性があるものとして行動するとされました。

 

  • 119番通報時において電話のスピーカー機能などを活用すれば、通信指令員の口頭指導を受けながら胸骨圧迫を行うことができるとされました。

 

  • 呼吸の確認と心停止の判断において「普段どおりの呼吸か」どうか判断に迷う場合又はわからない場合も、心停止と判断して胸骨圧迫を開始するとされました。

 

  • AEDの電極パッド等について、従来の「小児用パッド・モード」が「未就学児用パッド・モード」へ、「成人用パッド」が「小学生~大人用パッド」へ名称が変更されました。(※1)

 

  • 令和3年7月に認可された「オートショックAED」について新たに記載されました。(※2)

 

  • 気道異物除去において、反応があるが、咳をさせても異物が排出できない場合は、まずは背部叩打法を試みて、効果がなければ腹部突き上げ法を試みるとされました。

 

  • 新型コロナウイルス感染症流行期の一次救命処置について、これまで「救急蘇生法の指針2015(市民用)」の追補として示されていたが、新たに記載されました。

 

(※1)AED電極パッドの名称変更について

小学生の心肺停止に遭遇した際の混乱を防ぐために、AED電極パッドの名称が、以下のように変わりました。なお、名称が変わっただけで、機能自体に変わりはありません。

従来の名称 小児用パッド(モード) 成人用パッド
最新の名称 未就学児パッド(モード) 小学生~大人用パッド

 

AED使用における年齢区分は、「未就学児」と「それ以上小学生~大人)」の2つに分かれます。「未就学児」とは、小学校に就学する前の子どものことです。小学生くらいの子どもで、就学しているかの判断に迷う場合は「小学生」として扱い、「小学生~大人用パッド」を使用します。

また、従来の名称のまま、設置されているAEDも多数あることが予想されます。従来品の場合は、「小児用」と言っても、小学校入学前の子ども(未就学児)が対象です。小学生や中学生には「成人用パッド」を使用します。どちらか迷った時には「成人用パッド」を使用しましょう。

(※2)「オートショックAED」について

「オートショックAED」とは、「ショックボタンを有さない自動体外式除細動器(AED)」のことです。

従来のAEDをご存知の方は、今まで必須であったショックボタンがないため、いざ使うとなった際に、混乱されるかもしれません。しかし、音声メッセージに従って行動するという点に変わりはありません。

「オートショックAED」が、これまでのAEDと異なる点は、心電図解析を行って電気ショックが必要だと判断された場合、自動で電気が流れることです。このことにより、救助者の心理的負担の軽減を図っています。

なお、電気ショックが行われる直前には、注意喚起としてカウントダウンまたはブザーが鳴りますが、従来のAEDと同様、ショック時には誰も傷病者に触らないよう細心の注意を払ってください。

 

3.主に市民が行う「一次救命処置」(ガイドライン2020版)

「一次救命処置」とは

「一次救命処置」とは、心肺蘇生(胸骨圧迫・人工呼吸)とAEDの使用によって、心臓の動きを取り戻すことです。

ここでは、主に現場に居合わせた市民の方が、救急隊到着までの間に行うことを一覧表にまとめました。

なお、表の赤字部分は「救急蘇生法の指針2020(市民用)」で新たに変更されたものです。

その他の部分に関しては、これまでの一次救命処置の方法と変わりはありません。

年齢区分について

「一次救命処置」は、年齢により手技が異なります。大まかな区分は、以下のとおりです。

成人:15歳以上

小児:1歳から14歳まで

乳児:0歳

発見・通報

手技 成人 小児 乳児
発見時の対応手順
  • 周囲の安全を確認する。
  • 肩をやさしくたたきながら、大声で呼びかけて、何らかの応答や目的のある仕草がなければ「反応なし」とみなす。
  • 反応がない場合や、反応があるかないかの判断に迷う場合、またはわからない場合は心停止の可能性がある。その場で、大声で叫んで応援を呼ぶ。

救助者2人以上の場合
  • 誰かが来たら、その人に119番通報とAEDの手配を依頼する。
救助者1人の場合
  • 自分で119番通報を行い、すぐ近くにAEDがあれば取りに行く。
口頭指導
  • 119番通報をすると、通信指令員から行うべきことの指導を受けることもできる。(この際、電話のスピーカー機能などを活用すれば、通信指令員の口頭指導を受けながら胸骨圧迫を行うことができる

心肺蘇生法

手技 成人 小児 乳児
呼吸の確認と心停止の判断
  • 呼吸は胸と腹部の動きを見て「普段どおりの呼吸か」を10秒以内で確認する。
  • 呼吸がないか、普段どおりでない場合は、心停止と判断する。また、「普段どおりの呼吸か」どうか判断に迷う場合、またはわからない場合も、胸骨圧迫を開始する。
  • 反応はないが、普段どおりの呼吸がある場合は、様子をみながら応援や救急隊の到着を待つ。普段どおりの呼吸が認められなくなったら、胸骨圧迫を開始する。

心肺蘇生の

開始手順

  • 普段どおりの呼吸がない場合、あるいは判断に自信が持てない場合は心停止とみなし、心停止でなかった場合の危害を恐れることなく胸骨圧迫から開始する。
胸骨圧迫 位置
  • 胸骨圧迫の位置は胸骨の下半分とし、目安は胸の真ん中である。(必ずしも衣服を脱がせて確認する必要はない。)
  • 胸骨圧迫の位置は胸骨の下半分とし、目安は胸の真ん中である。
方法
  • 腕2本

一方の手のひらの付け根をあて、その手の上にもう一方の手を重ねて、指を組む。両肘をまっすぐ伸ばし真上から垂直に圧迫する。

  • 腕2本

一方の手のひらの付け根をあて、その手の上にもう一方の手を重ねて、指を組む。両肘をまっすぐ伸ばし真上から垂直に圧迫する。体格に応じて片手で行ってもよい。

  • 手指2本を用いる。
深さ
  • 約5cm沈むまでしっかり圧迫する
  • 胸の厚さの1/3までしっかり圧迫する。
テンポ
  • 圧迫のテンポは100~120回/分
絶え間ない胸骨圧迫
  • 胸骨圧迫の中断時間は最小にすべきである。

(人工呼吸、電気ショック、胸骨圧迫の交代など)

救助者の交代
  • 交代可能な場合には、疲労により胸骨圧迫の質が低下しないように、1~2分間を目安に交代することが望ましいが、交代による中断時間をできるだけ短くする。

気道確保と

人工呼吸

  • 救助者が人工呼吸の訓練を受けており、それを行う技術と意思がある場合は、胸骨圧迫と人工呼吸を30:2の比で行う。特に、小児の心停止では、人工呼吸を組み合わせた心肺蘇生を行うことが望ましい。(人工呼吸のやり方に自信がない場合や、人工呼吸を行うことにためらいがある場合には、胸骨圧迫だけを続ける。)
  • 人工呼吸を行う際には、外傷の有無に関わらず、気道確保を頭部後屈あご先挙上法で行う。
  • 吹き込みは約1秒かけて行い、胸の上がりを確認できる程度とする。胸の上がりがわからなくても吹き込みは2回まで行う。また、手元に感染防護具があれば使用する。

A

E

D

使用のタイミング
  • AEDが到着したら、速やかに電源を入れる。
電極パッドの貼り付け
  • AEDの電極パッドは、電極パッドや袋に描かれたイラストに従って、胸の右上と胸の左下側に貼り付ける。この間も胸骨圧迫は続ける。
  • 電極パッドを貼る場所に医療用の植え込み器具がある場合には、パッドを離して貼る。
  • 貼り薬や湿布薬が電極パッドを貼り付ける位置にある場合は、それを剥がして電極パッドを貼り付ける。傷病者の胸が濡れている場合には、乾いた布やタオルで拭き取ってから、電極パッドを貼り付ける。
  • 未就学児用パッドを小学生や中学生以上に使用しない。
  • 未就学児に対しては、未就学児用パッド未就学児用モードを用いる。
  • 未就学児用パッドがない場合、小学生~大人用パッドで代用する。
電気ショックと心肺蘇生の再開
  • AEDによる心電図解析が開始されたら、傷病者に触れないようにする。AEDの音声メッセージに従って電気ショックを行う。なお、ショックボタンを押さなくても自動的に電気が流れる機種もある。(※2)
  • 電気ショック後は直ちに胸骨圧迫から心肺蘇生を再開する。
  • AED音声メッセージが「ショックは不要です」の場合は、ただちに胸骨圧迫から心肺蘇生を再開する。
  • AEDは2分おきに自動的に心電図解析を行うので、音声メッセージに従う。その後も同様に心肺蘇生とAEDの手順を繰り返す。
心肺蘇生の継続
  • 救急隊などに引き継ぐまで、または傷病者に普段どおりの呼吸や目的のある仕草が認められるまで続ける。
  • AEDを装着している場合は電源を切らず、パッドは貼付したままにする。

気道異物除去法

手技 成人 小児 乳児
気道異物除去 反応がある場合
  • 強い咳ができる場合には、咳をさせて異物の排出を促す。
  • 窒息と判断すれば、直ちに119番通報を誰かに依頼した後に、まずは背部叩打法を試みて、効果がなければ腹部突き上げ法を試み、異物が除去できるか反応がなくなるまで続ける。
  • 明らかに妊娠していると思われる女性や高度な肥満者に腹部突き上げは行わず、背部叩打のみ行う。
  • 気道異物による窒息と判断した場合は、直ちに119番通報を誰かに依頼した後に、頭部を下げて、背部叩打や胸部突き上げを実施する。
  • 腹部突き上げは行わない。
  • 異物が取れるか反応がなくなるまで、2つの方法を数度ずつ繰り返して続ける。
反応がない場合
  • 傷病者がぐったりして反応がなくなった場合は、心停止に対する心肺蘇生を開始する。まだ119番通報されていなければ、直ちに119番通報し、近くにAEDがあれば、持ってくるように頼む。
  • 心肺蘇生を行っている途中で異物が見えた場合は、それを取り除くが、見えない場合には、やみくもに口の中に指をいれて探らない。また、異物を探すために胸骨圧迫を長く中断しない。

 

4.主に市民が行う「新型コロナウイルス感染症流行期の一次救命処置」

基本的な考え方

  • 胸骨圧迫のみの場合を含め、心肺蘇生はエアロゾル(※3)を発生させる可能性があるため、新型コロナウイルス感染症が流行している状況においては、すべての心停止傷病者に感染の疑いがあるものとして対応する。(※3)ウイルスなどを含む微粒子が浮遊した空気
  • 成人の心停止に対しては、人工呼吸を行わずに胸骨圧迫とAEDによる電気ショックを実施する。
  • 子どもの心停止に対しては、講習を受けて人工呼吸の技術を身につけていて、人工呼吸を行う意思がある場合には、人工呼吸も実施する。子どもの心停止は、窒息や溺水など呼吸障害を原因とすることが多く、人工呼吸の必要性が高い

「通常の一次救命処置」との違い

「通常期(非流行期)における一次救命処置」と異なる部分を一覧表にまとめました。

安全の確認
  • 自分がマスクを正しく着用できていることを確認する。
  • 人数に余裕がある場合、通報や救命処置を行わない人は、窓を開けるなど部屋の換気を行ったり、多人数で密集しないように配慮する。
反応の確認
  • 顔をあまり近づけすぎないようにして、傷病者の肩を優しくたたきながら大声で呼びかける。
119番通報・AEDの要請
  • 非流行期と同様に対応する。
呼吸の観察
  • 成人に対しては、人工呼吸は行わず胸骨圧迫だけを継続する。
  • 小児に対しては、講習を受けて人工呼吸の技術を身につけていて、人工呼吸を行う意思がある場合には、人工呼吸も実施する。
胸骨圧迫
  • 傷病者がマスクをしていれば、外さずそのままにして胸骨圧迫を開始する。
  • 傷病者がマスクをしていなければ、胸骨圧迫を開始する前に、マスクやハンカチ、タオル、衣服などで傷病者の鼻と口を覆う。
人工呼吸
  • 成人に対しては、人工呼吸は行わず胸骨圧迫だけを継続する。
  • 小児に対しては、講習を受けて人工呼吸の技術を身につけていて、人工呼吸を行う意思がある場合には、人工呼吸も実施する。
AEDの使用
  • 非流行期と同様に対応する。
救急隊への引き継ぎ後の対応
  • 傷病者を救急隊に引き継いだ後は、すみやかに石鹸と流水で手と顔を洗う。
  • 手を洗うか消毒するまでは、不用意に首から上や周囲を触らない。
  • 傷病者に使用したマスクやハンカチは、直接触れないようにして廃棄する。

 



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