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更新日:2020年2月1日
黒浜貝塚6号住居跡と呼称した住居跡の発掘調査では、前段階の「関山式土器」最終末の土器と一緒に出土した「黒浜式土器」(写真1)の他、縄文時代前期の特徴的な装飾品である「臼玉(うすだま)」や貝塚遺跡の特徴的な出土品である「貝製装飾品」等が出土しています。
写真1:黒浜貝塚6号住居跡出土土器
写真2は、6号住居跡の貝塚から発見された貝製装飾品と臼玉です。貝製装飾品は当初「貝輪(ブレスレット)」として使用されていたものが壊れた後、「ペンダント」として「転用(再生)」されたもので、両側が丁寧に磨かれています。また、表裏面には「赤色顔料」が塗布されていることが確認できます。
写真2:6号住居跡出土の貝製装飾品(左)と臼玉(右)
また、「石製装飾品」の写真(写真3)中にも、「管玉(くだたま)から臼玉(うすだま)へ」と、「抉状耳飾から装飾品へ」と「転用(再生)」途中の装飾品があります。
写真3:抉状耳飾(左)と転用途中の装飾品(右2個)
これらの装飾品は、図1のように身につけられていたものと考えられますが、『管玉・臼玉』はペンダントの玉として使用されていたものです。当時の蓮田市周辺には石はなく、全て交易(流通)により入手していたものと推測され、非常に貴重な資源であったことでしょう。この黒浜貝塚縄文人の再生(転用)してまでも活用しようとする縄文人から学ぶべき現代に通じるような「リサイクル性」が感じられる事柄です。
図1:黒浜貝塚から出土した装飾品の装飾イメージ
また、写真の遺物は、平成20(2008)年3月14日に埼玉県指定有形文化財(考古資料)に指定されました。
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