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更新日:2019年6月14日

広報はすだ2019年6月号・特集(食育)

6月は食育月間です。「食」に関する知識を身につけ、健康な体づくりにつなげましょう。

問合せ

健康増進課健康増進担当(電話)048-768-3111(内線)142

食を取り巻く環境

近年、核家族化や高齢化が進み、若者から高齢者まで独り暮らしをするかたが増えています。一人だと食事が不規則になったり、外食で済ませてしまったりすることも少なくありません。不規則な食事や栄養の偏りの積み重ねは、生活習慣病のリスクを高める原因にもなります。また、若い女性に多い過度のダイエットや、食欲の低下による高齢者の低栄養も問題視されています。このような状況の中で、現在注目されているのが「食育」です。

食育とは

食育とは、バランスのよい食事を選択し、食から健康な生活を送るための力を育むことです。規則正しく、栄養バランスの取れた食事をする他にも、食を通じた家族や友人とのコミュニケーションや、食に関するマナーを学ぶこと、伝統的な食文化に触れることも食育です。

市では、市民の食生活の現状を把握するため、平成29年10月に蓮田市健康実態調査を実施しました。食生活の満足度は、5年前の調査に比べて全ての年代で減少しており、20~50歳代の約半数が食生活に満足していない状況です。また食育への関心は、国の調査結果より低く、特に20歳代男性と40歳代男性が食育への関心が低いという結果になりました。

大人の食への関心の低さは、自分自身や子どもたちの健康にも影響を与えます。食育は子どもだけでなく、幅広い世代で重要な役割を担っているといえます。

新たな計画を策定

市では、蓮田市健康実態調査の結果を基に、より現状に適した健康づくりのため食育推進に焦点をあてた蓮田市食育推進計画を今年3月に策定しました。

この計画では、野菜を一日に3皿以上食べる市民の割合の増加を目指した「みんなで野菜を食べようプロジェクト」を軸に、「食を通したからだづくり」、「食を楽しみ、感謝するこころづくり」、「食への関心を高め、食を選択できる力づくり」の3つを重点施策としました。バランスのよい食事や野菜の摂取を推進し、地域、関係機関、行政が一体となって市民参加型の健康づくりに取り組みます。

蓮田市食育推進計画

「みんなで野菜を食べようプロジェクト」の柱となる3つの重点施策について紹介します。食育の基礎を学び、野菜を取り入れたバランスのよい食生活を実践しましょう。

食を通したからだづくり

バランスのよい食事とは、主食・主菜・副菜がそろっていて、必要なエネルギーや栄養素がじゅうぶんに含まれている食事のことです。食事をする時には献立にこの3つがそろっているか確認してみましょう。1日当たりに必要な野菜の摂取量は350グラムと言われていますが、不足しがちな傾向にあります。野菜には、ビタミン、ミネラル、食物繊維など体の調子を整えるたいせつな栄養素が多く含まれています。1日に今より1皿多く野菜料理を食べることを心がけましょう。

1日の食事の中でも、朝食には、エネルギーを補充し、脳を活性化させることで身体を目覚めさせる役割があります。朝目覚めた直後は、脳や神経、内臓の働きが低下していて、血糖値も低い状態です。集中力や記憶力の低下など1日の活動に影響が出るため、朝食でしっかりとエネルギーを補うことがたいせつです。

子どもは朝・昼・夜の食事だけでは栄養が不足する場合があるので、不足している栄養をおやつで補いましょう。成長に合わせ、補食としてのおやつと、楽しみとしてのおやつのバランスを考えて選択することが重要です。食事で取り切れなかった炭水化物やカルシウムを補うために、おにぎりやヨーグルトなどを選ぶと効果的です。

食を楽しみ、感謝するこころづくり

核家族化やライフスタイルの多様化により、家族がそろって食事をする機会が減り、一人で食事をする「孤食」や、同じ食卓に集まっていても、家族がそれぞれ別の物を食べる「個食」が増えています。食事を通したコミュニケーションを取ることは食育の原点であり、食の楽しさを実感するだけでなく、食事のマナーなどを習得する機会にもなっています。積極的に家族や友人と誘い合って食卓を囲む回数を増やしましょう。また、食事や食材を作ってくれたかたに感謝する気持ちを共有することも重要です。

食への関心を高め、食を選択する力づくり

地元で栽培されている地場産野菜を知り、それを消費することも食育のたいせつな取組みの一つです。購入できる場所が分からないなどの理由から、地場産以外の野菜を使っているというかたも少なくありませんが、現在は市内でも一部のスーパーや、農産物直売所で気軽に購入することができます。また、地場産野菜は、新鮮で栄養価が高く、生産者の顔が見られるため安心して買うことができます。

主食・主菜・副菜を基本とした栄養バランスの取れた和食は、平成25年にユネスコ無形文化遺産にも登録され、世界から注目を集めましたが、国内では食の欧米化の影響で若者を中心に和食離れが進んでいることが問題視されています。和食を作っている人の割合が20歳代では低くなっており、家庭で和食のよさや作り方を学ぶ機会が少なくなっています。親子で料理をする機会を増やし、和食や郷土料理など、地域や家庭で受け継がれてきた料理や味を親から子へ伝えていくこともたいせつです。

蓮田市の郷土料理、呉汁を作ってみよう

大豆を水に浸し、すりつぶしたものを「呉」といい、呉をみそ汁に入れた物を「呉汁」といいます。誰でも簡単に作れますので挑戦してみましょう。

料(4人分)

大豆水煮…150グラム

油揚げ…1枚

ごぼう…40グラム(10センチメートル)

にんじん…40グラム(中2分の1本弱)

だいこん…80グラム(2センチメートル)

かぼちゃ…100グラム

長ねぎ…5センチメートル

みそ…大さじ1と3分の2

だし汁…50cc

作り方

  1. 大豆水煮はすり鉢またはフードプロセッサーで細かくする。
  2. 油揚げは油抜きをし、縦に半分に切り、横に5センチメートル幅に切る。ごぼうは薄めの斜め切りにし、すぐに水にさらしておく。
  3. にんじんとだいこんはいちょう切り、かぼちゃは一口大に切る。長ねぎは小口切りにする。
  4. だし汁にごぼう、にんじん、だいこんを加え、5分程度煮て、かぼちゃを加え、軟らかくなるまで煮込む。
  5. 1の大豆を入れ5~6分煮た後、みそを溶き入れ、火を止める。
  6. 器に盛り付け、長ねぎを散らして完成。

豊かな食生活を目指して(杉原峰子さん(食育推進員連絡会議・委員長))

食育推進員は、皆さんの健康維持・増進を食生活の面から推進していくことを目的に活動しています。食育教育や、料理教室などを行い、子どもから大人まで幅広く食の楽しさを伝えています。食生活の改善はまずは1日の食事の中で野菜料理を1皿増やすことから始めてみましょう。野菜を多く取ることで食生活は大きく変わります。食育推進の主役は市民の皆さん一人一人です。食のたいせつさを見直し、健康で長生きする身体を作りましょう。

見直そう!1日の食事

栄養バランスの取れた食事を取るのは忙しくて難しいかたもいるかもしれません。栄養士のアドバイスを受けた蓮田太郎さんの食事を参考にして、できることから始めてみませんか。

朝は「一口でも食べることから始めよう!」

朝食のメリット

おにぎりやサンドイッチなど、炭水化物を多く含む食べ物は脳や体のエネルギーになります。スープなど温かいものは体温を上げて目覚めをよくします。

昼は「プラス一品」

サラダが食べられない時には、野菜ジュースを飲むことで手軽に野菜の栄養素を取ることができます。野菜ジュースは搾汁などの加工工程によってビタミンCや食物繊維が少なくなっています。補助食品として上手に利用しましょう。コンビニのサラダは野菜が約120~150グラムで、1日に必要な野菜の3分の1を摂取できます。

夜は「主食・主菜・副菜を意識した食事」

外食は、家で作る食事より味が濃く、油を使う料理が多いといった傾向にあります。麺類は汁を残したり、揚げ物を避けたりしましょう。また定食にして、バランスよく食べるよう心がけることがたいせつです。主食・主菜・副菜を組み合わせると自然とバランスの取れた食事となります。

飲酒をする人は

節度ある飲酒を心がけ、ビールなら1日500ミリリットル、日本酒なら1合までにしましょう。また週2日は休肝日を作りましょう。

間食

果物には、ビタミンやミネラルが多く含まれています。ただし、糖分が多く含まれているので、食べ過ぎは注意です。

健康はすだ21(第2次)改定版・蓮田市食育推進計画

健康はすだ21(第2次)改定版・蓮田市食育推進計画は、市ホームページに掲載している他、市役所行政資料コーナー、図書館で閲覧できます。また、概要版を健康増進課で配布しています。

お問い合わせ

所属課室:広報広聴課広報広聴担当

埼玉県蓮田市大字黒浜2799番地1

電話番号:048-768-3111

内線:215