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更新日:2025年5月1日
帯状疱疹は、水痘(水ぼうそう)のウイルスが原因で起こる痛みをともなう皮膚の疾患です。水痘にかかったことがあるかたなら、誰でもかかる可能性があります。
水痘は、治った後もそのウイルスが生涯にわたり体内に潜伏し、加齢や疲労、ストレス等で免疫力が低下した時に、再びウイルスが活性化して、今度は、水痘ではなく、帯状疱疹として発症します。
近年までは、水痘を発症している子どもと接触することによって、おとなは、帯状疱疹の原因である「水痘・帯状疱疹ウイルス」に対する追加免疫を自然と得ていました。しかし、平成26年に水ぼうそうが定期予防接種となり、水痘を発症する子どもが減少し、追加免疫を得る機会も少なくなりました。加齢などによる免疫力の低下も影響し、帯状疱疹の発症率が増加する傾向にあるといわれています。
帯状疱疹は、50歳以上から発症率が高くなり、80歳までには、約3人に1人がかかると言われています。
ピリピリ、チクチクした痛みを感じることから始まり、そこに赤い発疹が帯状に現れます。その後、水ぶくれができて、かさぶたとなります。痛みや皮膚の症状は、主に体の左右のどちらかにみられ、3~4週間ほど続きます。症状は、胸、腹、背中など、多くは上半身にみられ、顔や首などに現れることもあります。
予防としては、できるだけ健康的な生活習慣を保ち、日頃より免疫力を高めることが大切です。食事のバランスに気をつけ、睡眠を十分とることが大切です。持病があるかたは、その管理もしっかり行いましょう。さらに、50歳以上のかたについては、帯状疱疹予防ワクチンを接種することも有効であるとされています。
帯状疱疹は、症状がひどくなる前に受診し、治療を始めることが重要です。治療の中心は、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬です。発疹が出てから72時間以内に飲みはじめることが望ましいといわれています。からだの片側に原因不明の痛みが急に生じたり、痛む場所に赤い発疹が出現したりしたときは、できるだけ早く受診しましょう。
50歳以上の方は帯状疱疹予防ワクチンが接種でき、発症予防・重症化予防が期待できます。
医師等にご相談のうえ、予防接種による効果や副反応、健康被害救済などについて十分に理解をいただいた上で、接種の判断をしてください。
令和7年度より、高齢者帯状疱疹ワクチン予防接種が開始されました。
対象のかたは市の助成により、予防接種費用の一部が軽減されます。
令和7年度高齢者帯状疱疹ワクチン予防接種
高齢者帯状疱疹ワクチン | 任意接種 | |
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対象 |
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左記以外の50歳以上(接種日時点) |
自己負担金 |
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全額自己負担(医療機関が定める金額) |
帯状疱疹ワクチンは2種類あります。接種方法や回数などに違いがありますので、医師にご相談ください。
乾燥弱毒生水痘ワクチン 「ビケン」(生ワクチン) |
乾燥組換え帯状疱疹ワクチン 「シングリックス」(不活化ワクチン) |
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接種回数 | 1回 | 2回 |
接種方法 | 皮下注射 | 筋肉内注射 |
接種条件 | 病気や治療によって免疫の低下しているかたは接種不可 | 免疫の状態に関わらず接種可能 |
予防効果 | 5年で4割程度 | 10年で7割程度 |
帯状疱疹ワクチン接種を任意接種したかたで、重大な健康被害が生じた場合、独立行政法人医薬品医療機器総合機構法に基づく救済となります。
申請に必要となる手続き等については、独立行政法人医薬品医療機器総合機構にお問い合わせください。
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