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更新日:2020年9月29日

病気の説明

ロタウイルス胃腸炎

ロタウイルスによる胃腸炎は、感染力が非常に強く、手洗いや消毒などをしっかりしても、感染予防をすることが難しく、乳幼児のうちにほとんどの子どもが感染します。症状は、嘔吐・下痢に伴う脱水や、けいれん、腎不全、脳症などの合併のため、入院治療に至るケースがあります。重症急性胃腸炎で入院する原因としてロタウイルスが最も多いといわれています。

B型肝炎

B型肝炎は、B型肝炎ウイルス感染によっておこる肝臓の病気です。B型肝炎ウイルスへの感染は、B型肝炎ウイルスに感染した血液等に接触した場合に、感染を起こすことがあり、一過性の感染で終わる場合と、そのまま感染している状態が続いてしまう場合(キャリア)があります。また、経過の違いから、急性肝炎と慢性肝炎があり、急性肝炎は稀に劇症化する場合もあることから注意が必要です。キャリアになると慢性肝炎になることがあり、そのうち一部の人では肝硬変や肝がんなど命に関わる病気を引き起こすこともあります。

ヒブ(インフルエンザ菌b型)

ヒブとは、「ヘモフィルス属インフルエンザ菌b型」という細菌の略称で、新型インフルエンザや季節性のインフルエンザを起こすウイルスとは全く別のものです。

ヒブは、主に咳やくしゃみなどを介して感染します。多くの場合は発症しませんが、脳や脊髄を覆っている髄膜に感染して炎症を起こすと細菌性髄膜炎となるほか、肺炎、喉頭蓋炎、敗血症など全身の感染症を引き起こすことがあります。

ヒブによる細菌性髄膜炎の初期症状は発熱、嘔吐、けいれんなどで、風邪の症状と似ているため、早期の診断が難しく、症状の進行が早く、重症化しやすい傾向にあります。また、子どもの細菌性髄膜炎の原因として、ヒブが最も多く、かかったのは、ほとんどが生後4か月から5歳未満の小さな子どもたちとなっています。日本では年間約400人もの子どもたちがヒブによる髄膜炎発症し、このうち5%が死亡し、25%が発達の遅れや難聴などの重い後遺症を残すといわれています。さらに、最近では抗生物質が効かない菌(耐性菌)が増え、治療も難しくなってきています。

肺炎球菌

肺炎球菌は子どもの多くが鼻の奥にもっている菌で、ときに細菌性髄膜炎、菌血症、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎といった病気を起こします。肺炎球菌性髄膜炎は死亡例と後遺症例(水頭症、難聴、精神発達遅滞など)をあわせると全体の40%近くに達します。初期の主な症状は、かぜ症状と区別がつきにくいと言われています。肺炎球菌にかかかりやすいのは生後3か月以降から5歳くらいまでです。細菌性髄膜炎は5歳未満の子ども10万人当り、年間150人前後の患者数です。

結核

結核菌の感染で起こります。わが国の結核患者はかなり減少しましたが、2万人を超える患者が毎年発生しており、大人から子どもへ感染することも少なくありません。また、結核に対する抵抗力はお母さんからもらうことが出来ませんので、生まれたばかりの赤ちゃんもかかる心配があります。

結核の予防には、結核菌に自然感染する前にBCGワクチンを接種することが大切です。適切な接種で行われたBCGワクチンで免疫をつけておけば、発病することを大幅に減らすことが出来ます。特に、乳幼児における結核性髄膜炎や粟粒結核などの予防にBCGは極めて有効です。

破傷風・ジフテリア・百日せき・ポリオ

破傷風は土の中の破傷風菌が傷口から体内に入ることで感染します。菌が体内で増えると菌の毒素で筋肉のけいれんを起こし、最初は口が開かなくなり、やがて全身のけいれんを起こします。治療が遅れると死にいたることもあります。

ジフテリアはジフテリア菌の飛沫感染でおこります。症状は高熱、のどの痛み、犬吠様のせき、嘔吐などで、偽膜と呼ばれる膜ができ窒息死することもあります。現在は予防接種導入で患者発生は年間0人から1人です。

百日せきは百日せき菌の飛沫感染でおこります。症状は普通のかぜのようにはじまります。続いてせきがひどくなり、顔を真っ赤にして連続的にせき込むようになります。熱は通常でません。乳幼児はせきで呼吸ができず、唇が青くなったりけいれんをおこすこともあります。肺炎や脳症などの重い合併症を起こし、命をおとすこともあります。

ポリオは「小児マヒ」とも呼ばれ、ポリオウイルスによってマヒを起こす病気です。ポリオウイルスは人から人へ感染します。感染した人の便中に排泄されたウイルスが口から入り、のど又は腸に感染します。感染したウイルスは3日から35日、腸の中で増えます。しかし、ほとんどの場合は症状が出ず、一生抵抗力(免疫)が得られます。ポリオウイルスに感染する100人中5~10人は、風邪様の症状を呈し発熱を認め、続いて頭痛、嘔吐があらわれます。また感染した人の中で約1,000~2,000人に1人の割合で手足のマヒを起こします。一部の人には、そのマヒが永久に残ります。

麻しん

麻しんウイルスの空気感染によって起こります。感染力が強く、予防接種を受けないと多くの人がかかる病気です。約10~12日の潜伏期間の後に38度以上の発熱、せき、鼻汁、目やに、発疹を主症状とします。予防接種を受けずに麻しん(はしか)にかかった人は、数千人に1人の割合で死亡しています。

麻しんは1歳から2歳の間にかかる子どもが多いといわれています。確実に予防するには2回の予防接種が必要です。接種時期になったら、できるだけ早期に予防接種を受けましょう。

風しん

風しんウイルスの飛沫感染によって起こります。潜伏期間は2週間から3週間です。軽い風邪症状で始まり、発疹、発熱、後頸部リンパ節腫脹などが主症状です。2歳から3歳になると、かかるお子様が急に増えます。

妊婦さんが妊娠早期にかかると、先天性風しん症候群と呼ばれる病気により心臓病、白内障、聴力障害などの障害をもったお子様が生まれる可能性が高くなります。お母さんが次のお子様を妊娠している時に、お子様が予防接種を受けても、接種を受けたお子様からお母さんに風しんウイルスが感染した例はありませんので、心配はありません。

厚生労働省ホームページ風疹について(外部サイトへリンク)

大人の風しんワクチンの接種費用の一部を助成します

水痘(水ぼうそう)

水痘は水痘・帯状疱疹ウイルスの直接接触、飛沫感染あるいは空気感染によって感染します。潜伏期間は通常13〜17日です。特徴的な発疹が主症状で痒みを伴います。発疹は最初は斑点状丘疹、その後3日〜4日は水疱で、最後は顆粒状の痂皮を残し、間もなく痂皮は脱落して治癒します。発疹は身体の被覆部分に多い傾向がありますが、頭髪部にも現れます。
軽度の発熱を伴うこともあります。一般に軽症疾患ですが、免疫不全状態の患者さんでは重症となり、脳炎を合併することもあります。

日本脳炎

日本脳炎ウイルスは水田などに発生するコガタアカイエカなどの蚊によってウイルスに感受性のある脊椎動物(ヒト・ウマ・ブタなど)の間で伝播します。ヒトはウイルスを保有している蚊に刺されることによって感染・発症します。発症すると高熱、頭痛、嘔吐、意識障害やけいれんなどの症状を示す急性脳炎を起こします。

感染者100人から1,000人に1人が脳炎を発症すると考えられ、発症による致死率は17%程度といわれており、また神経学的後遺症を残す例が見られます。乳幼児や高齢者では死亡のリスクが高く、神経学的後遺症は生存者の45~70%に残り、小児では特に重度の障害を残すことが多いとされています。

子宮頸がん

子宮頸がんとは、子宮の入り口(頸部)にできるがんで、年間約9,000人が発症し、約2,700人が死亡しているといわれています。子宮頸がんは20歳代から30歳代の女性に発症するがんの第1位を占めており、発症率は過去20年で2倍以上に増えています。

初期段階は無症状で、がんが進行すると、異常なおりもの、不正出血、下腹部痛などの症状が現れます。治療方法や病気の経過などはがんの進行状態や全身状態によって異なります。

子宮頸がんの原因は、主にヒトパピローマウイルス(以下HPV)による感染です。HPVには約100種類の型が確認されており、その中の約15種類が発がん性HPVと言われています。その中でも、特に「16型」と「18型」によるものが発症原因全体の約7割を占めています。

HPVの感染経路は主に性交渉です。HPVは特別なウイルスではなく、多くの女性が一生のうちに一度は感染するごくありふれたウイルスです。多くの場合、感染は一時的で、ウイルスは自然に排除されますが、感染した状態が長い間続くと前がん病変(がんになる前の異常な細胞)を経て子宮頸がんを発症することがあります。発症予防や早期発見にはワクチンの接種後も、定期的に子宮頸がん検診を受診することが大切です。

お問い合わせ

所属課室:子ども支援課子どもの健康担当

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