ここから本文です。
更新日:2022年2月1日
これまで住宅防火対策は、住宅防火対策推進協議会を中心とした広報・普及啓発活動等を中心に推進されてきたが、最近の住宅火災による死者の急増等を踏まえ、これまでの推進方策を抜本的に見直し、新たに住宅用火災警報器又は住宅用自動火災報知設備(以下「住宅用火災警報器等」という。)の設置を義務付けることとした。
近年の住宅火災による死者数(放火自殺者等を除く。以下同じ。)は、増加傾向にあり、平成15年中の住宅火災による死者数は昭和61年以来17年ぶりに1,000人を超え1,041人となっており、このうち約7割が逃げ遅れによるものである。特に、死者の過半が65歳以上であることから、今後、高齢化の進展により更に増加するおそれがある。
また、住宅火災による死者数は、建物火災による死者数の約9割を占め、住宅はホテル・旅館、百貨店等よりも火災発生時には5倍程度死者が発生しやすい状況となっている。
米国や英国においては、住宅用火災警報器等の普及率が高くなるにつれて住宅火災による死者数が減少しており、住宅用火災警報器等の効果が大きいことが分かる。米国では1970年代後半には約6,000人の死者が発生していたものが、2002年の時点で住宅用火災警報器等の普及率が90%超となることにより、死者数が3,000人弱とほぼ半減している。英国においても同様の傾向が見られ、この2つの事例から見ても住宅用火災警報器等の設置による住宅火災による死者数低減の効果は高いといえる。
また、日本の住宅火災においても、住宅用火災警報器等の有無によって、3.3倍(平成15年中)の低減効果が見られている。
このような状況を踏まえ、平成15年12月に消防審議会から、住宅用火災警報器等の住宅用防災機器を、住宅への設置を義務付ける等を内容とする答申が出され、この答申を受けて、「消防法及び石油コンビナート等災害防止法の一部を改正する法律」が衆参両議院で全会一致で可決・成立し、平成16年6月2日に公布された。これにより、既存住宅を含めて全国の住宅に住宅用火災警報器等の設置が義務付けられることとなった。また、衆参両議院で、本法律に住宅用火災警報器等の積極的な普及に努めること等の附帯決議が付された。
本文:消防白書平成16年版
資料:住宅防火対策推進協議会
資料:消防白書平成16年版
資料:消防白書平成16年版
お問い合わせ