ホーム > 教育・文化・スポーツ > 文化財 > 国指定史跡「黒浜貝塚」 > 国指定史跡黒浜貝塚整備事業について(平成27~29年度)
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更新日:2023年8月6日
国指定史跡黒浜貝塚は、平成25年度に「国指定史跡黒浜貝塚-整備基本構想・基本計画策定報告書-」を策定し、平成27年度から整備事業を進めています。
このページでは、平成27年度から29年度までの整備事業の状況について掲載しております。
計画概要図及び平成30年度以降の整備事業につきましては、「国指定史跡黒浜貝塚整備事業について(平成30年度以降)」をご覧ください。
縄文時代は、地球全体が今よりも暖かく、海水が内陸深くまで入り込んでいました。縄文時代前期、史跡内にも海があったことが分かっています。29年度は当時の波打ち際を復元し、「縄文の海」が完成しました。
また、前年度に続いて、水辺の復元と低地の生活の場エリアの自然斜面地形の復元を行い、当時の植生復元としてオニグルミやヤマモモなどの植栽をしました。
第3期整備事業の完了に伴い、平成30年3月17日(土曜日)に工事見学会を開催し、縄文の海エリアにガクアジサイやコムラサキを記念植樹しました。
縄文の海エリア整備前
縄文の海エリア整備後
オニグルミの植栽(低地の生活の場エリア)
史跡の谷部には湧水が存在し、豊かな自然環境が残されています。特にハンノキ群落は自然植生であり、縄文時代当時から同様の景観であると考えられています。また、この谷は縄文人の水汲み場として利用されていたと考えられています。
こうした景観を保全するために、浚渫、木柵を設置するなど水辺の整備を行いました。また、椿山のムラと宿浦のムラとをつなぐ橋を設置しました。
低地の生活の場エリアでは、当時の自然斜面地形を復元するとともに、散策やイベントなどの活動が実施できるよう、アカメヤナギを伐採し、造成を行いました。
第2期整備工事完了に先立って、平成29年2月19日(日曜日)に、工事見学会を開催し、水辺の生活の場エリアに記念植樹を行いました。
水辺の生活の場エリア整備前
整備後
黒浜貝塚には、谷を挟んで宿浦と椿山の2つのムラがあり、縄文時代に人々が暮らしていました。
この2つのムラのうち、第1期整備工事では、椿山のムラを整備しました。花粉分析の結果をもとに、縄文時代にはなかったモウソウチクを撤去し、コナラ、シラカシなどの落葉広葉樹やヤマモモ、オニグルミなどの食用植物を植え、縄文時代前期の黒浜貝塚の植生へ復元しました。
椿山のムラでは、縄文時代前期の住居跡2軒のほかに、平安時代の住居跡や製鉄に関する遺構が多数発見されました。これらの遺構は、将来の発掘調査や活用に用いるため、記録を行い埋め戻しています。
縄文時代の住居跡2軒については、表面から遺構の位置がわかるように平面表示しました。
整備前の椿山のムラ(市役所から撮影)
整備後の椿山のムラ(文化財展示館2階から撮影)
また、史跡内へ車いすでもアクセスできるように、市役所から史跡への連絡スロープを県費補助金により整備しました。壁面には、市内の地名が由来となった「関山式土器」「黒浜式土器」のタイルを設置しました。文化財展示館などで展示している土器が屋外でも見られるようになっています。
このほか、将来的活用にむけて、学術調査を実施しました。「宿浦のムラ」の4号住居跡からは、縄文時代のイヌの骨や魚の耳石などが発見されました。
学術調査見学会を兼ねた工事見学・記念植樹会を、平成27年10月10日(土曜日)、11月3日(火曜日)、12月12日(土曜日)に行いました。
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