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更新日:2025年3月14日
人権尊重社会の実現のため、
広報はすだ6・8・12・3月号に人権への理解を深めるための記事掲載を行っています。
掲載記事を紹介します。
災害は、私たちの生活に大きな負担をかけます。親しい人が犠牲になったり、不安を抱えたまま避難したりすることはとてもつらいことです。また、災害時の切迫した状況では、自分のこと、家族のことしか考えられなくなって視野が狭くなりがちです。このような状況の中、助け合うことが大事だとわかっていても他者への思いやりが薄らぎ、結果として、相手を傷つける言動や差別、人権侵害につながることもあります。
避難生活では、プライベートな空間を十分に確保できないことも多く、洗濯物を干すときやトイレに行くときなど、普段の生活よりお互いに配慮が必要になる場面が増えます。さらには、不安や恐怖、悲しみの感情を抱えながら睡眠不足になる方もいます。それ以外にも、世代間での考え方の違いから生じる対立や、いわゆる災害弱者と呼ばれる心身の状態が優れない人や障がいのある人、日本語がわからない外国人などへの偏見・差別的な言動なども発生しやすくなります。
避難所には様々な境遇の人が集まるため、それぞれの考え方や価値観は当然異なります。避難所という狭い空間の中で他者と生活していくためには、どういう問題が起こりうるかを想定し、お互いの人権に配慮した心がけが必要です。
パリ2024パラリンピック競技大会が、2024年8月28日から9月8日までの12日間にわたり、開催されます。前回の東京2020パラリンピック競技大会で日本は、史上最多となる51個のメダルを獲得し、多くの人に感動をもたらしました。
パラリンピックの始まりは、ルードウィッヒ・グットマン博士の指導により1948年にロンドン郊外にあるストーク・マンデビル病院で行われた入院患者によるスポーツ競技会で、第二次世界大戦において障がいを負った兵士のリハビリが目的でした。この大会が原点となり、1960年には、ローマオリンピックと同じ会場で開催される大会にまで発展しました。
様々な障がいのあるアスリートたちが限界に挑むパラリンピックは、誰もが個性や能力を発揮し活躍できる公正な機会が与えられている場です。パラリンピックをきっかけに、一人ひとりが様々な個性を持ったかけがえのない存在として、生きがいを持って暮らせる社会の実現について考えてみませんか?
埼玉県では、8月を「人権尊重社会をめざす県民運動強調月間」として定めています。
インターネットの普及により、誰もが容易に情報を発信できるようになった反面、他者を傷つける言葉や攻撃が拡散しやすい環境が生まれました。誹謗中傷は被害者の精神的な苦痛を生み出し、社会的孤立や自殺に追い込むこともあります。
パリ2024オリンピック・パラリンピックにおいても、インターネット上の誹謗中傷が問題とされました。選手や審判に対し、悪口やでたらめを書き込みその名誉を傷付ける行為が多数見受けられました。その結果、JOC(日本オリンピック委員会)が緊急声明を発表する事態にまで発展しました。
このような行為に対して、日本を含め各国では法整備を進め、誹謗中傷に対する規制を強化しています。しかし、法的対策だけでは問題を完全に解決することはできません。インターネット上の表現の自由を尊重しつつ、他者の権利や尊厳を守るためには、利用者一人ひとりが責任ある行動を取ることが求められます。
インターネットは便利で多くの利益をもたらす一方、その利用が人権侵害につながるリスクを常に伴います。この問題を解決するためには、法的な取り組みとともに、社会全体での意識改革が必要です。
埼玉県では、12月4日から10日までの期間を「人権尊重社会をめざす県民運動強調週間」として定めています。
大正11年(1922年)3月3日、我が国初の人権宣言といわれている「水平社宣言」が出されました。この宣言は、被差別部落の人々が差別からの解放を目指して創立した「全国水平社」の創立大会で読み上げられたといいます。
「水平社宣言」の「水平」という言葉には、「人間は生まれながらに平等な存在である」という理念が込められています。この宣言は、「人間を尊敬し、大切にし合うことで差別はなくしていける」という思いと共に、「全ての人がどんな差別も受けることなく、人間らしく生きて行ける社会の実現」を目指したものでした。
近年ではスポーツの世界においても、サッカーJリーグの「3つのフェアプレー宣言」(ピッチ上のフェアプレー、健全な経営の実践、差別根絶等を含む社会的責任を果たすこと)やバスケットボールBリーグの「Cheerwithsmile,Cheerwithrespect」(笑顔と敬意をもって応援しよう)などが試合の際に読み上げられ、メディアやSNSを通し発信されるなど、「水平社宣言」の理念のもと差別や誹謗中傷等の不当な行為の根絶に向けた様々な取組みが行われています。
皆さんも、差別行為を他人事とせず、自分の事としてとらえ、次世代を担う子ども達のためにも、全ての人の人権が尊重され心豊かな社会の実現を目指し、一人ひとりが差別や誹謗中傷をなくすことについて考えてみましょう。
過去の掲載記事を年度ごとにまとめたものです。
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